2022年メッセージエンゲージメントに
関するレポート(日本)

あなたの内部は日本の消費者の電子メールとSMSメッセージングの好みを調べます。

2022年メッセージエンゲージメントに
関するレポート(日本)

Chapter 1: 概要と背景

Twilioの2022年グローバルメッセージエンゲージメントに関するレポートでは、消費者のコミュニケーションに対する嗜好が世界でどのように進化しているかを大筋で理解することができました。さらに理解を深めるため、地域や年齢が消費者の嗜好をどのように形成しているか、国別のレポートを追加展開することにしました。この『2022年メッセージエンゲージメントに関するレポート(日本)』では、さまざまな世代の日本の消費者が、お気に入りのブランドからのエンゲージメントをどのように求めているかを詳しく見ていきます。

本レポートは、日本企業にお勤めの方にも、日本在住の顧客が多い方にも、見込み客や顧客がブランドとのコミュニケーションについてどう期待しているかを、より深く理解していただくための一助となるものです。本レポートでは、定量的·定性的データで構成される強力なインサイトにより、刻々と変化する日本の消費者の期待に応えるためには、メールやSMS戦略をどのように構築すればよいかを明らかにしています。

Chapter 2: 調査手法

本レポートは、定量的オンライン調査と定性的エスノグラフィ調査の両方から収集したデータをもとに作成しています。以下に調査の詳しい手法を示します。

定量的オンライン調査

日本の消費者のメールとSMSに対する嗜好を理解するため、20問のアンケートを800人の日本人回答者に送りました。800人の回答者は、200人ずつ、年齢別のグループ –Z世代(18~24歳)、ミレニアル世代(25~35歳)、X世代(36~50歳)、ベビーブーム世代(51~65歳)– に分類しました。これにより、受信者の年齢がメールやSMSの嗜好や行動にどのような影響を与えるかについて、さらに理解することができました。

定性的エスノグラフィ調査

また、メールやSMSの受信ボックスに関する嗜好についてより深いインサイトを得るために、20人の日本人参加者(各年齢層につき5人)を募集して定性調査を実施しました。参加者には、5日間にわたり、メールの使用状況の追跡、簡単な質問への回答、ビデオ回答の撮影、受信ボックスのスクリーンショットの共有をお願いしました。5日間の調査の後、各参加者に30~45分の電話調査で反応を聞き、個人メールの利用の癖や好みについてさらに詳しく調べました。これにより、定量調査から得られた知見をさらに具体化し、日本の消費者がブランドコミュニケーションに対して好むこと、嫌がることをより深く正確に理解することができました。

Chapter 3: 主な結果 

世代ごとに重要度は異なりますが、日本の消費者は全般的に、メールとSMSを重要なコミュニケーションチャネルとしてとらえています。ただし、それぞれのコミュニケーションチャネルに対する利用状況や意識は、年代により大きく異なります。ここでは、日本における世代間の違いを詳しく紹介します。

1. メールがいまだ首位

メールは、最も魅力的な顧客コミュニケーションチャネルとして、今年もその王座を守り続けています。2021年、日本の回答者の15%が、最もよく利用するチャネルの1つにメールをあげていました。この数字は、2022年には19%に増加し、メールがすぐにはなくならない実績あるコミュニケーションチャネルであることを証明しています。

しかし、メールがNo.1の座を獲得しましたものの、その差はこれまでより小さくなっているというのは、注目すべき点です。これは、多くの企業が顧客にリーチし、エンゲージするための新しい方法に投資していること、また、多くの消費者がパンデミックの発生以来、新しいデジタル行動を採用していることによると考えられます。原因が何であれ、メールが依然として信頼できる顧客リーチ手段である一方で、新たなチャネルの重要性が高まり、驚異的なスピードで顧客を獲得していることは明らかです。

当然ですが、日本の消費者は年齢が上がるほど、若い世代よりもはるかにメールに関心を持っていました。全体として、こうした年齢が高い世代では、他のチャネルよりもメールを好み、最も魅力的なチャネルの1つとしてメールを挙げるX世代は17%、ベビーブーム世代は21%です。一方、上位3つのコミュニケーションチャネルの1つとしてメールを挙げたのは、Z世代では9%、ミレニアル世代では14%にとどまりました。こうした若い世代の日本の消費者は、好きなブランドからのメッセージを、動画、オーディオ、Web広告を通じて受け取ることを好むことが分かりました。

2. 顧客のSMSへの関心は低い

2022年グローバルメッセージエンゲージメントに関するレポートでは、SMSが世界で2番目に人気のあるコミュニケーションチャネルであることが分かりましたが、これは日本にはあてはまりませんでした。最も魅力的だと思うコミュニケーションチャネルの1つとしてSMSを挙げた日本の消費者はわずか11%にとどまり、この数字は前年と変わりません。

その代わり、日本の消費者の多くは、ブランドによるテキストメッセージよりも、ソーシャルメディア、動画ストリーミング広告、さらにはWebサイト広告を実際に好むと回答しています。特に、LINEなどのソーシャルネットワーキングサービスを利用する若い世代に、その傾向が見られました。興味深いことに、動画ストリーミング広告を好むと答えた日本の回答者は、2021年のレポートではわずか6%でしたが、今年は14%となり、あらゆるコミュニケーションチャネルの中で最も人気が急上昇しています。

SMSは、今年は上位には入りませんでしたが、テキストメッセージ戦略はまだやめる時期ではありません。日本の回答者の多くは、テキストメッセージでマーケティングの最新情報を受け取るのは好きではないが、注文や出荷の進捗状況、予約のリマインダーなどの最新情報を得るには便利で効果的な方法だと考えています。

“「コミュニケーションツールとしては、メールの役割はLINEやSNSアプリに置き替わりました。とはいえ、ショッピングのプロモーションメールは見逃せません」”

日本在住のミレニアル世代

“「スマートフォンへのメッセージは誰から届いたかすぐには分かりませんが、企業LINEはアイコンのおかげで分かりやすく、親しみが持てます」”

日本在住のZ世代

3. 消費者は高頻度のメールに寛容

定期配信サービスの利用者がブランドからのメッセージの受け取りをオプトインしているからと言っても、毎日の配信を望んでいるわけではありません。実際、過剰な送信は、多くの日本人受信者に最も嫌がられることであり、「毎日メールが届いたら登録を解除する」と44%が回答しています。とはいえ、日本の消費者は頻繁にメッセージを受け取ることについては、昨年よりも前向きになっているようです。ただし、ブランドが価値のあるユニークなコンテンツを毎回メッセージで送ることができれば、です。

昨年のレポートでは、日本の全年齢層が希望する受信頻度は、週に1度とする回答者が38%、毎日は22%、月に1度は18%でした。今年は、週1回を希望する回答者が30%であるのに対し、月1回を希望する回答者は6%にとどまりました。さらに驚いたことに、お気に入りのブランドから毎日メールを受け取ることを希望する回答者は、2022年には45%となり、昨年より大幅に増加しました。このように、より頻繁にブランドメッセージを受け取りたいという意向は、
上の世代でより顕著に見られました。実際、X世代では53%、ベビーブーム世代では56%が、ブランドから毎日メッセージを受け取ることを希望していると回答しています。一方、日本の若い回答者の場合、1日1回のメールでも構わないという回答は、Z世代では32%、ミレニアル世代では40%にとどまり、毎日のメールには賛同しませんでした。むしろ、こうした若い世代は、トップブランドから週に1回メールを受け取ることを好んでいました。

このテーマについてさらに詳しく定性調査を実施したところ、日本の消費者は、より多くのメッセージを受け取りたいと考えるかどうかは、主にメールやSMSの内容によると明らかにしました。同じセール情報を何度も宣伝したり、むやみに希少性を強調したりするようなメッセージは、ユーザーの興味をそぎ、登録解除につながります。一方、日本の受信者は、タイムリーな情報、パーソナライズされたメッセージ、魅力的なコンテンツを含むメッセージは、たとえすべてのメッセージを開いたりクリックしたりしなくても、受信ボックスに追加する価値があると考えています。この話から分かるのは、メールやSMSのマーケティングプログラムを成功させるには、顧客に迷惑がられることなく価値あるコンテンツを提供する方法を見いだす必要があるということです。このバランスを取ることが、顧客エンゲージメントを向上させ、クライアントコミュニケーション戦略の投資収益率を高める鍵となります。

4. 短く魅力的なメールが最良

日本の全世代の消費者は、メールの長さの影響は大きいと感じていますが、若い世代ほどその考えが強いのは、おそらくスマートフォンでメールをチェックする傾向があるからだと思われます。日本の回答者のほとんどは、理想的なメールの長さは、スマートフォン画面では2~3スクロール、PCやタブレットでは1~2スクロールだと答えています。しかし、ミレニアル世代は、ブランドからのメールの回数が少なくなるなら長文のメールでもよいとも述べています。

長さ以外にも、メールの文章と画像のバランスが良くなければならないと感じており、そのバランスは、平均すると画像が30%~40%、文章が60%~70%です。これは、メールの見た目が消費者を惹きつけるのに重要な役割を果たすことを裏付けており、多くの回答者が、画像、メールのレイアウト、ブランディング、キャッチーなコンテンツが、メッセージを印象付けるのに役立つと回答しています。もちろん、魅力的なキャンペーンを実施することも、受信者の関心を引く確実な方法です。

“「長文のメールをスマートフォンで開いても、全部読むことは少なく、削除してしまいます」”

日本在住のミレ二アル世代

5. 消費者はパーソナライゼーションが好き

今年のグローバルレポートでは、消費者への新たな質問として、「よりカスタマイズされたメールを受け取れるなら、より多くの個人情報をブランドと共有してもよいと思うか」という問いに答えていただきました。日本の回答者の27%が「いいえ」と答えた一方で、51%もの回答者が、企業がメールコンテンツをよりパーソナライズすることに関し、前向きに協力すると答えました。

ここ数年、顧客のプライバシーは世界中で話題として頻繁に取り上げられており、この結果は興味深いものです。プライバシーに関する懸念がある中でも、日本の顧客はパーソナライゼーションの向上に意欲的で、お気に入りのブランドが自分たちのニーズや関心をよりよく理解することに前向
きです。

Chapter 4: まとめ

レポートの内容を要約してご紹介します。

  1. 日本の消費者が最も好むコミュニケーションチャネルは、依然としてメールです。
  2. 日本の消費者は、SMSメッセージは、予約リマインダー、出荷通知、注文確認などの重要な情報をブランドから受け取るには便利な方法であると理解していますが、企業がマーケティング目的でSMSを使用しないことを望んでいます。その代わり、消費者はソーシャルネットワーク、Webサイト、動画広告を通じてブランドと関わることを好みます。
  3. 日本の消費者は、頻繁にメッセージを受け取ることに対し、2021年当時よりも前向きです実際、お気に入りのブランドから毎日メールを送信してほしいとする回答者は45%ですが、これは、各メッセージで価値あるユニークなコンテンツをブランドが送信している場合に限ります。
  4. 理想的なメールの長さは、スマートフォンで2~3スクロール、パソコンやタブレットで1~2スクロール。平均して画像30~40%、テキスト60~70%を維持することが望ましいとされています。
  5. 日本の消費者は、パーソナライズされたコンテンツに大きな関心を寄せています。自分の希望や興味に合わせたコンテンツの提供を受ける代わりに、より多くの個人情報をお気に入りのブランドと共有しても良いとする回答者は27%です。

本レポートでは、日本におけるメッセージサービスの好みや行動について、世代別の違いを考察していますが、これらの結果が、あらゆる分野における顧客層に当てはまるわけではありません。それでも、これらの結果やベストプラクティスが、皆さまのメールやSMS戦略立案、利用者がブランドに求めていることの調査などの契機となれば幸いです。

Twilioならば、既存顧客のメールやSMSのデータを活用し、現在と将来のキャンペーンを最適化することも簡単です。Twilioのプラットフォームでは、開封率やクリック率の測定はもとより、詳細な洞察と分析により、受信者層にメッセージがどう作用するかが掴めるようになります。
こうした分析結果を活かせば、メールやSMSの効果を最大限に引き出し、配信のたびに多くの見込み客や顧客を引き込むことが可能になります。

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